マレーシアでは原発は作れない。
アジアの国に行くことは教えるだけでなく、教えられることも多くありました。その一つにこんなことがありました。
1983年にJICAエキスパートとして、マレーシアにに行ってから毎年数年経った時だったと思いますが、最初から私の世話をしてくれているマレーシア原子力研究所副所長が、資料を見ながら、「マレーシアでは原子力発電所を作ることはれ出来ない」と話しかけてきました。「なぜ?」と聞くと、日本から届く情報を見ると、原子炉を建設するため建設地域に支払う助成金の額はマレーシアでは到底払えないほどの高額であるから」とのことでした。私はその頃日本国内で聞かれる「アジアでは小型原発なら設置できるのではないかとの議論が、いかに現実を知らずに行われているかということを知りました。
私は毎年アジア各国の小型研究炉を持っている原子力研究所を訪問することは、この地域に研究用原子炉を用いて研究成果を出すことでしたが、研究成果をる挙げるには、若い研究員が成果を巡って議論する機会が全くないことを改善する必要があると考えていましたので、立教大学原子力に、「アジア地域小型原子炉利用研究成果を議論するシンポジューム開催を提案したところ、1986年の立教炉の臨界25週年記念の年に開催すことの了解を得たので、私はマレーシア研究所副所長と相談して、連絡する研究所とキーパーソンのリストを作って立教大学連絡しました。